英検の有効期限はあるのか?
基本的に英検は一度取得してしまえば一生有効な資格です。つまり有効期限はありません。
英語の試験ではTOEFLのように公式に有効期限を2年としているものもあります。
これは語学の運用能力は使っていないと錆びついていくので、2年以上前のスコアと同じ能力を現在も保持しているとは保証できないからです。(スコアをアップデートするために定期的に受験して欲しいという主催者側の大人の事情もあるでしょうが・・・)
ただ英語を仕事にしている者からすると確かに語学は使っていないとすぐに錆びついてしまいます。
しばらく話していないとスラスラと言葉が出てこなくなります。とはいっても一度きちんと習得した言語は、再び使うことで復活するのも早いものです。
受験生の注意点~入試に使える英検の有効期限は異なる場合も
さて大学入試などで英検を活用する大学も増えていますが、入試の英検利用では一定の条件を課しているところもあり注意が必要です。
英検協会自体は英検の有効期限を定めていませんが、学校の方で独自に有効期限を定めている場合があるからです。
当校にも高校1年生の時に2級を取得した優秀な生徒さんがいますが、彼女の志望校では残念ながら1年生の時に取得した英検は有効ではありませんでした。
その志望大学では合格から2年以内のものを有効とみなすというルールを設定しています。つまり高校3年生の受験の時期には2年以上経ってしまいます。
早く取り過ぎてしまったことが仇となるという矛盾。とはいっても大学がそうと決めたら従うしかありません。
英検のホームページにもあるように現在では多くの大学が英検による入試優遇制度を設けています。詳しく大学の募集要項を読むと出願時から2年以内という制限を設けている学校も少なくありません。
受験・進学、英語の学習・履修に「効く」!英検・TEAP・IELTS活用校検索 (eiken.or.jp)
またこの矛盾を避けるためか、高校1年生になって以降の合格は認めるとしている学校もあります。
また最近の英検にはCSEというスコア換算した点数もあり、例え不合格でもCSEで何点以上あれば90%の得点を加算してくれるなどの学校もあるようです。
CSEとは何?
このCSEとはなんでしょうか。英語の四技(リーディング・ライティング・スピーキング・リスニング)を数値化し合計した点数です。
例えば英検2級なら四技それそれに650点という配点があります。全部満点なら650x4=2600点です。
この点数は一定になるように英検側で調整して算出しますので受験者側で計算することはできません。
英検が公開しているガイドラインでは2級の一次の三技能(リーディング・ライティング・リスニング)で1520点、二次のスピーキングで460点合計で1980点が合格の目安です。
例えば亜細亜大の一部の学科の入試でCSE1950点以上で英語80点加算としています。
つまりCSE1950以上~1980未満でギリギリ二級に落ちてしまった人や準一級で落ちてしまった人も対象となるはずです。
ただ四技を測っていないと駄目みたいなので準一級の一次だけで1950点以上でも二次のスピーキング試験を受けてないという場合のスコアは対象外でしょう。
CBT(コンピューターでのテスト)でしたら不合格でも四技を測定しますので対象になるはずです。
逆に法政大学の一部の学科のように二級合格でかつCSE2150点以上としているところもあり、その場合はギリギリの合格では駄目だということです。
早くとりすぎると大学受験に使えない?入試に使える英検の有効期限は学校次第
ちなみに各大学の設定している有効期限に関しては入試要項に詳細を記載していますので、各校個別に確認しましょう。
2024年の受験要項を例に見てみます。
例えば東海大の場合ですが
2024年入学試験要項の20ページに、学力選抜では実用英語技能検定の
受検時期は問いません。
入試情報 2024:東海大学 (career-tasu.jp)
となっています。つまり英検は有効期限がある試験ではないので、大学側もいつ合格したものでも構わないということです。
次に法政大学の2023年の入学試験要項では
実用英語技能検定は2020年度3回以降のものに限り有効とします
入学試験要項|法政大学 一般選抜 入学試験ガイダンス (52school.com)
となっています。2020年度第3回は2021年の1~2月実施(CBTは2020年12月~2021年3月実施)のもので合格証の発行(取得日)は2月下旬から3月上旬です。
したがって2023年度の受験には実質約2年前のものまで有効ということです。
高校一年生の冬以降に取得しておくといいでしょう。ただ、合格までには一年ほど時間がかかることもあります。狙った時期に合格できない可能性もありますで、早めに受検を始めるといいと思います。
このように有効期限は英検側で定めてはいませんが受け入れ側の学校で独自の基準を設けていますので良く受験要項を確認してください。
※上記大学の例も受験者は必ずご自身で最新情報をご確認下さい。
高校受験の場合は?
高校受験の場合も英語試験免除や内申点の加算、推薦入試の条件として英検を活用している学校も多いです。
4級、3級、準2級でも加点してくれる学校も多いですので一応志望校の状況を確認をしましょう。
2級、準1級ではかなり有利になりますし、帰国子女入試の出願条件となっている場合もあります。
例えば
国際基督教大学高等学校の場合は
帰国生徒推薦入試の出願条件として
推薦入試条件 aは2級、推薦入試条件 bは準1級
レベルの英語力の証明が必要となります。
https://icu-h.ed.jp/admin/pdf/Apr2021-Boshuyoko.pdf
↓こちらの英検のホームページで対象校は確認できますが、最新情報はやはり志望校の入学試験要項を確認しましょう。
受験・進学に「効く」!高校・高専 英検入試活用校検索 (eiken.or.jp)
早く合格しすぎた場合の対策は
それでは早くとりすぎてしまった場合はどうすればいいでしょうか。対策は大きく分けて2つあります。
まず一つ目は上位の級を受験し合格すること。そんな簡単に言われても…ですよね。でも早すぎた合格者には、十分時間がありますので受験までにチャレンジしましょう。
もう一つは再度同じ級を受験して合格し有効期間を更新することです。英検は一度合格したらその級は再度受験できないという制限はありません。ですから志望校の定める期間内に再受験して合格すれば受験に使えることになります。
またCSEスコアで基準を満たせる学校なら、CBTで受験して仮に合格できなくてもCSEスコアではクリアできるかもしれません。CBTは不合格でも四技をテストしますのでCSEスコアが出ますので。
いずれにせよ早く合格して悪いことはありませんのでどんどん上の級を目指してくださいね!
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